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AKB48総選挙に見るキャンペーンプラニング
今回は、これまでお話をしてきた「キャンペーンプランニング」に関し、とても参考になる事例が出てきましたので、これについて考察してみたいと思います。

少し長文なのですが、きっとあなたに新たな気づきがあると思いますので、どうぞお付き合い下さい。
ご存知のとおり、2012年6月6日の水曜日に、AKB48の選抜総選挙が行われました。
CDの売り方や、全体的なマーケティングには賛否両論ありますが、今日は売り方というより、この総選挙当日までの流れについて、いろいろと検証してみたいと思います。
「プロセス」ヲタクの私としては、非常に楽しい素材でした。
実際に、総選挙までの流れ(コマ)を時系列で並べて分析してみると、今後、私たちがキャンペーンを展開する際に、非常に参考になる流れになっていることが分かります。
さて、この選抜総選挙キャンペーンの主目的は、当然、現在発売中(26thシングル)のCDの売上向上です。
そのCDの中に投票券が入っているということで購入喚起をする、という部分については、いろいろな意見があると思いますが、今回は、そうした手法ではなく、ゴールに向けてのプロセスに着目したいと思います。
今回のキャンペーンプランニングの実際のスタートは、現センターの前田敦子さんの卒業宣言からなのですが、ここは意図的かどうかが不明
ですので、その後の総選挙不参加の宣言ビデオの公開から、多くの人に「総選挙」というキーワード、存在がインプットされたことと思います。
なので、その「総選挙不参加宣言」を起点として、そこから当日まで、そして、その後を時系列で見てみると・・・
4/3 前田敦子 総選挙不参加宣言
5/1 26th 新曲PV公開(YouTube)
5/6~ 選挙演説ビデオ公開
5/16 総選挙公式ガイドブック発売
5/17~ 各テレビ番組で新曲の宣伝
5/20 総選挙投票方法解説ビデオ(YouTube)
5/23 26thシングル発売
5/23 開票速報
5/30 Google+ 総選挙専用ページのCM放映開始
5/30~ 総選挙関連の情報リーク(出口調査?著名人の予想など)
6/5 Google+総選挙の楽しみ方ビデオ公開(YouTube)
6/6 総選挙当日
6/6 23時 1位獲得者スピーチ&所信表明演説ビデオ公開(YouTube)
8/24、25、26 東京ドーム公演
8/29 27thシングル発売
となっています。
もちろん、これらだけでなく、もっと細かい部分での情報発信があったのですが、一般の方の目に触れる大きな流れとしては、このような感じだったと思います。
そこで、これらの「コマ」の順番や内容を注意深く見てみると、まさに、用意周到にキャンペーンを盛り上げていくために、計画性をもって情報発信を行っていることが分かります。
闇雲に情報発信しているわけではありません。
さて、ここでポイントになっているのは、以前にもご紹介したことがある「インストレーション(導入支援)」です。
“どうやったら総選挙に参加することができるのか”、“どのように総選挙を楽しむことができるのか”を、情報メディア、特に動画などを
使って説明するプロセスが、巧みに組み込まれています。
今回で、総選挙は4回目になるのですが、ターゲット層はこれまでのファンだけでなく、新しくファンとして入ってきた人、この総選挙を期に参加される方向けに、丁寧なまでの説明を行うことで、こうした層、また、潜在的な欲求を持っている層を取り込むことまで想定している点が、非常に参考になります。
「盛り上がり感」を見せることで、そうした層を惹き付け、そこに、「インストレーション」の準備がされており、これから参加する人も参加しやすい環境を作っています。
そして、その「インストレーション」を、分かりやすい、さらに入りやすい動画で展開されている点が、王道というか、きちんとセオリーを踏んでいるなぁと関心しました。
最近では、誰でも簡単に動画撮影ができ、それをYouTubeなどにアップすることができる機能、環境が整ってきています。最近のデジカメ、ビデオカメラ、スマホには、動画の編集や、YouTubeへのアップ機能などが標準でついています。
こうした環境をビジネスに活かさない手はありません。
今日は、ビデオの作り方の詳細は割愛しますが、ビデオで公開するものは、通販番組のように商品紹介をするのではなく、先ほどの「インストレーション」、つまり、あなたの商材の使い方や楽しみ方といった、“その商材を手にした後に得られるメリット”をイメージさせられるかどうかにかかってきます。
または、その目的を前提にした、「ノウハウ情報」だったりします。
使い方、活用方法、楽しみ方を公開していくことが、購入の“根拠”を、ご提供することにつながっていきます。
最近、食品会社が、商品の説明だけでなく、その食材や調味料などを使った「レシピ集」などを紹介しているのも、「インストレーション」のひとつであり、購入後のイメージをお伝えしているものになります。
あなたのビジネスにおいては、この「インストレーション」情報を発信されているでしょうか?
これを単発で発信するのではなく、キャンペーンプランニングを行い、そのプロセス内において、効率的に情報発信していくことが、“コマ”を動かす重要な役割を果たすのです。
このコマを動かすのは、AKBの場合は、マスコミなどによるニュースなどの情報発信になるのですが、これを私たちに当てはめると、facebookやブログ、メルマガでの情報発信がこれにあたります。
ということは、できるだけ多く、信頼関係が築けているファン客を獲得し、メルマガによる情報発信=誘導という仕組みがあることが重要になります。
さて、AKB商法には、いろいろなご意見があるのですが、売り方のプロセスにおいては、セオリー通りというか、きちんとキャンペーンプランニングが設計され、行われていることが分かります。
だからこそ、大きく作用し、ただ単に商材を売ることだけにとどまらず、次のプロセスにもつながり、好転していく流れができているのです。
今回の総選挙では、「27thシングルのセンターを決める」という目的があり、このキャンペーンプランニングが動いているわけですが、同時に、次のキャンペーンプランニングも動いています(動き始めています)。
次の27thシングルの発売日が、前田敦子が卒業をするという東京ドーム公演の後に日程で設定されていることから分かります。
そこまでの間に、またいろいろと仕掛けがあるんだろうなぁと予測が付きますので、今後の展開も目が離せません。(マーケティングの展開方法という意味で・・・)
AKBなど芸能界の場合は、特殊で、こうしたイベントであれば“無料で”マスコミが「宣伝」をしてくれるので、必然的にそこで、27thシングルの話を出すことで、次につながる絵が見えるので、そこで、次の展開も計算、設計されていくことになります。
しかし、全体的な考え方は同じで、媒体がCMやマスコミではなく、自社メディアであることの違いだけです。
しっかりと、キャンペーンプラニングを行い、顧客導線も設計したところに落とし込んで行くことになります。
これは、最初のうちは慣れないと、非常に頭を使いますので疲れます。なので、こうしたキャンペーンプランニングの設計をする際には、甘いものを摂りながらされることをお勧めします。
きっといいアイディアが生まれるはずです。
そして、「ここに誘導した後、どう動かしていくのか」、「どう行動して頂くのかの」の“顧客導線”とつながっていくのです。
今回のAKB48総選挙のキャンペーンプランニングで、何が展開され、どのような行動を促しているのかを、あなたなりにも分析してみて下さい。
それほど、難しいことではありません。練習のつもりで、ちょっと考えてみて下さいね。
そして、これが自分のものとなり身に付くと、自然とモノを売る時には、必ずキャンペーンプランニングをしないと、というように変わっていきます。
これが重要です。今の時代に必要な売り方です。
今回、AKBの事例を元にキャンペーンプランニングについて考察してみましたが、確かに、AKB48はビジネスは、良い面も悪い面もあります。
そうしたいろいろな部分もありますが、それでも勉強にはなります。
成功しているビジネスモデルの良い部分は、積極的に取り入れていくようにする、その姿勢が大切です。
そして、もっと物事、事象を大局的に見てみましょう。
そうすることで、これまで見逃してきた成功の種も見つかるかもしれません。
ということで、今日はこの辺で。
いつもありがとうございます。
今日のトピックについてご感想、ご質問などあれば、下記よりコメントをお寄せ下さい。

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